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はなちゃん と つぼみちゃん :: 2011/03/22(Tue)


あるところにとても仲良しなおともだちどうしがいました。
はなちゃんとつぼみちゃんです。
はなちゃんは歌が得意で、つぼみちゃんは絵が上手でした。
ふたりはいつもいっしょです。
毎日手をつないで遊びに出かけるのでした。
お日様は明るくふたりを照らします。
ふたりの影法師も一つにくっついて歩きます。
今日もふたりでおでかけです。
つぼみちゃんにはかわいがっている小鳥がいました。
小鳥はいつもつぼみちゃんの肩にちょこんとのり、
はなちゃんとつぼみちゃんのおしゃべりの合間に、
かわいらしい声で鳴きました。

いつもと変わらない一日でした。
はなちゃんは陽気におしゃべりをし、つぼみちゃんは笑ったり頷いたり、
時々夢見がちなことを言ったりしました。

ちかっ、と一瞬お日様がまばたきをしたようでした。
その一瞬だけの間に、あたりの鳥が騒ぎました。
車もオートバイもびっくりして、ビィービィ、クラクションを鳴らしました。
気がつけばつぼみちゃんの肩の小鳥がいませんでした。
つぼみちゃんはうろうろとそこら中を探しまわり、ずっと小鳥の名前を呼んで、
帰ってくるのを待ちました。
はなちゃんも協力して一緒に探したり、つぼみちゃんをはげましたりしました。

ずいぶんたっても小鳥が帰って来ないので、
つぼみちゃんはしぼんだ風船のようになっていきました。
はなちゃんはつぼみちゃんのために歌を歌いました。
元気な振り付けまでつけて歌いました。
つぼみちゃんはあんまり聞いていないようでした。

はなちゃんはつぼみちゃんに小鳥の絵を描いたらどう?
とすすめました。
つぼみちゃんがその場を動こうとしないので、はなちゃんはいったんお家に走って帰り、
絵の道具を持って来てつぼみちゃんにわたしました。
つぼみちゃんは小さく笑って道具を受け取ったものの、
いっこうに絵を描く気配はありませんでした。

からすが家に帰る頃になりました。
夕暮れがすっかりあたりの空気をオレンジに染め上げていました。
つぼみちゃんはふと、顔をあげ、あたりをきょろきょろ見渡しました。
すぐ横に、はなちゃんがいました。
はなちゃんはなきべそをかいていました。
じわりと涙がにじんでくると、はなちゃんはぐい、と袖で涙を拭いました。
また涙が出ると、こんどは反対の袖で拭いました。
はなちゃんはまるで地面に吸い付こうとでもするように、そこに座っていました。

つぼみちゃんはもいちど空を見上げて、小鳥の姿を探しました。
やっぱり小鳥はいないようでした。
つぼみちゃんはゆっくり立ち上がって、はなちゃんの方に手を出して、
「おうちに帰ろう」といいました。
はなちゃんもうなづいて立ち上がり、ふたりは手をつなぎました。
ふたりの影法師も一つにくっついてついてきました。

その夜、つぼみちゃんはからっぽになった鳥かごをおかあさんといっしょに
掃除しました。新しいえさを入れて、お水もかえました。
それから、小鳥の絵を描きました。
時間をかけて、ていねいに色をぬっていきました。
絵はとてもきれいに仕上がりました。
つぼみちゃんは、その絵を、しわにならないように気をつけながら
鳥かごの中にいれました。

明日、はなちゃんにこの絵をみせなくちゃ。
そう思いながら、つぼみちゃんはおふとんに入って眠りました。


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テーマ:詩・ことば - ジャンル:小説・文学

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